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2025-5-8 ( 木 ) 晴れ 20℃
雪解け増水もやや落ち着いてきたので、近郊のニジマス繁殖渓流にニジマス調査に出かけた。

かっては在来魚オショロコマのみが繁栄していた渓流だが、放流ニジマスが繁殖し始めるとともに個体数は激減しています。現在ではオショロコマは最源流域に追いやられた小規模な個体群が残存しているのみで、近年その源流域にまでニジマスが侵入しつつあります。

























これまでの私の経験上、北海道オホーツク地方での一般的な野生化ニジマスの生息パターンは、通常、上流から源流域にかけては幼魚~若魚から、せいぜい25cmくらいまでの小型ニジマスが棲息し、大型個体は普段は下流から本流で生活するのが一般的です。これら大型成熟ニジマスが早春、源流域に遡上して産卵、その後すみやかに本流へ戻るといった産卵パターンが普通と考えてきました。
しかし、最近の経験では大型ダムなどでこれら大型成熟ニジマス遡上が不可能な山岳渓流などにおいて、主に15~20cmの小型ニジマスたちが性成熟し、産卵行動を行う個体群が存在することがわかってきました。
今回、調査に入ったのはそのような個体群が繁殖している渓流です。したがって、早春に遡上産卵するデカニジマス釣りとは全く異なり、小型ニジマスが主体の山岳ニジマス釣りとでも言うべき釣りになります。
ここでは近年、元々の住人のオショロコマは壊滅して滅多にみられず、ほぼニジマス一色になっており、在来オショロコマを守るためにニジマスを駆除するといった行動が、もはや陳腐なもの見えてしまうほどにニジマス主体の新しい独特の生態系が形成されています。
私の知る三つ目のニジマス産卵様式として、道東の植別川下流では海中飼育中のニジマスが時化で生簀が壊れ逃げ出したと推定される大型スチールヘッドニジマス多数が ( おそらく産卵のために ) 秋に群れをなして遡上しているのを観察し釣った経験があります。秋 に産卵するニジマス個体群と言えるかもしれません。
































私自身、かっては在来種オショロコマが放流ニジマス(外来種)のために消えて行くことを、ひたすら嘆くばかりでした。しかし、視点を大きくとれば( 例えば宇宙人が見れば ) 人間も単なる生態系の構成要員の一員に過ぎないことに気づきます。
人間が手を下して行う生態系の撹乱そのものも含めて、これらはまさに広義の地球上の生態系そのものではなかろうかという考え方に変わりつつあります。
そう考えると、この地球上での太古の昔から現在に至るまでの自然界の出来事、人類の歴史、さらに現在から未来にかけて起こりうることに対する予想も理解しやすくなるのではないでしょうか。
知性、情緒などに優れた人間が生態系を人間にとって相性の良いものにどこまでコントロールして行けるかどうかといったことが私たちの今後の課題でしょうか。

さて、ちょっと話が大きく飛躍したようですが、今現在のニジマスの置かれた環境は、結論から言いますと、そのまま様子を見るしかないだろうと言うことです。
過去の一時期、北海道各地ではで生態系に対するまったくの無知のため、勝手気ままな外来魚 (しばしば国内外来魚も)の放流が継続的になされました。
北海道以外でも漁協などが中心になりさらに深刻な放流がなされたようで、例えば いまや native のイワナは稀とまで言われるようになってしまいました。
放流は、当時大流行し始めたフライ・ルアー釣り愛好家団体や釣具産業が中心になり、さらに行政をも動員して広く行われてきました。
渓流魚が豊かであった北海道の原始渓流渚滑川には地域起こし政策の一環として経済産業省の肝入りでニジマス放流が始まったと言われています。
川や湖に魚種が増えるのは喜ばしいことで、さらには食料事情好転にも寄与するだろうと、放流活動に異議を唱える人はほとんどいなかったと思われます。
やがてニジマスやブラウントラウト放流による在来魚類の被害が広く知られるようになり、さらに生態系の概念も広く理解されるようになってきました。
現在では、貴重な在来の自然が残されている水域にニジマスなど外来魚の放流を行う愚は多くの人々が忌避する時代になっています。
不完全ながら法律の整備も行われていますが、種々の理由から、未だニジマスに関しては極めて不十分な状態です。


一方、もはや独特の水域に独特の生態系を形成したり、新しい生態系の構成要員としてそれなりに生きているニジマスを積極的に駆除する意味合い・意義は少ない場合もあり得ると思います。
私は、こういった類似の状況のブラウントラウト、カワマス、レイクトラウト、ブラックバス、コイ、その他多くの外来魚を帰化外来魚( 私の造語 2024 : です)と呼んでいます。








植物の世界では もはや駆除不可能なほどに繁殖した多くの外来植物が帰化植物といった折衷案みたいな呼び方をされており独特の生態系を構成していますし、ホソオチョウ、大陸産ゴマダラチョウ、カラフトセセリや、セイヨウオオマルハナバチのような昆虫たちも、もはや帰化昆虫として存在してゆく可能性が高いと考えられます。
しかし、今後は外来種の導入、移入、持ち込みに関してはこれまで以上に慎重な姿勢が望まれると思います。カワウソやオオカミなどかって我が国に生息していたが現在では絶滅した動物を他国から導入する計画なども同じです。
この日、釣ったニジマスたちの画像を多数提示しましたが、最後に釣り上げると盛んに放精する小型成熟ニジマスをお示しします。放精は一瞬のことで、タイミングが合わず 撮影はなかなか大変でしたが放精する小型ニジマスオスは多数みられました。 動画の方が良かったかも知れません。



この日も撮影させていただいた多数のニジマスたちは全て丁寧に元の場所にリリースしました。
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